体外衝撃波治療とは

体外衝撃波治療は、専用の医療機器を使って皮膚の上から深部の損傷部位に衝撃波を与え、傷んだ組織の再生・疼痛緩和を同時に獲得する治療法です。
日本国内ではまだ導入していない医療機関もありますが、欧米では1980年代から足底腱膜炎などの治療で使用されています。近年では整形外科、理学療法、リハビリテーションとスポーツ医学などの分野で幅広く使用され、その治療効果が認められ普及されてきております。

衝撃波により刺激を受けた組織は、細胞の活性化により、石灰沈着の除去・骨折治癒・腱の再生といった組織レベルでの治療効果が確認されています。また痛みを引き起こしている神経の改善と筋緊張の緩和により、即時的かつ長期的な除痛効果が示されています。体への負担が少ない非侵襲的処置で、従来の治療でなかなか痛みが改善しない方に対しても効果が認められています。施術後の副作用が少なく日々多忙な方や、大会を控えたスポーツ選手、手術に抵抗がある患者様にお勧めです。

対象疾患
- 足底筋膜炎(難治性を含む)
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、上腕骨内上顆炎(ゴルフ肘)
- 手根管症候群
- ばね指
- 五十肩(肩関節周囲炎)
- 石灰化病変
- アキレス腱炎
- 大転子疼痛症候群
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
- シンスプリント
- 疲労骨折や偽関節
治療の流れ
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1、担当医師が診察し患者さまの傷害・障害部位を確認します
必要な検査を行い、衝撃波治療の適応か否かを判断します。
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2、担当の理学療法士・作業療法士が傷害・障害部位などを確認し、リハビリテーションの治療計画を考案してお伝えします
使用する機器をセットします。患者さまに治療法などのインフォームドコンセントをいたします。
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3、詳細な患部の位置を決定後、患部に衝撃波を照射します
最初は低レベルの照射から始め、痛みなどの反応を確認します。徐々に出力を上げていき、治療を進めます。
照射前後に理学療法士・作業療法士による運動器リハビリテーションを行います。 -
4、受付にて治療費(保険診療)をお支払いのうえ、お気をつけてご帰宅してください
治療が終わりましたら、受付でお名前を呼ばれるまで待合室でお待ちください。
処方箋、領収書(診療明細書)を発行させて頂くとともに、当院の診察券をお渡し致しますので、次回からお持ちください。 -
5、初回治療から数日間の経過後、もう一度、予約にて御来院いただきます
前回治療からの経過を確認し、特に問題がないときは2回目の照射と運動器リハビリテーションを行います。
繰り返し照射することにより治療効果(組織再生と除痛)を上げることができます。
※3回目以降も、概ね同様となります。3~4回程度の照射を目安として効果判定します。
体外衝撃波Q&A
- Q.治療中に痛みはありますか?
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A.患者様の状況により治療中にある程度の痛みや不快感を覚える場合があります。患者様一人一人の許容範囲にあわせて出力を調整して施術を行います。
- Q.治療時間や施術回数はどのくらいですか?
- A.当院では体外衝撃波単独での施術はなく、1単位20分間の運動器リハビリテーションのなかで体外衝撃波の治療を行います。患者様によって異なりますが、体外衝撃波を当てるのは1回約6~7分の治療を3~7日間隔で行い、数回の施術が必要とされます。さらに体外衝撃波の前後で理学療法士・作業療法士による運動器リハビリテーションを併用することで、体外衝撃波とあわせた相乗効果(シナジー効果)が得られます。
- Q.治療ダウンタイム(回復期間)はありますか?
- A.治療直後から日常生活に戻れます。治療部位における軽い痛みは通常治療後24時間以内に消失します。
- Q.副作用はありますか?
- A.治療部位に赤みや一時的な痛み、不快感、腫脹、内出血を伴う場合があります。深刻な副作用の報告はありません。
- Q.禁忌事項はありますか?
- A.悪性腫瘍がある部位やコルチコステロイド注射した部位、妊娠中の患者様、内臓臓器(脳、肺、心臓、肝臓、腎臓)、脳卒中や脊髄損傷などで感覚障害がある部位、抗凝固薬(血液がサラサラになる薬)を内服している患者様には使用できません。詳しくは医師にご相談ください。
