小児整形外科とは
整形外科は歴史を紐解くと子供の四肢の奇形を治療する事から始まりました。
小児整形疾患は発症頻度も低く、専門医も少ない領域ではありますが、ある一定の頻度で乳幼児から成長期のお子さんに特有の運動器疾患を認めます。当院では将来のある子供達の運動器疾患を見逃さないように、地域の小児運動器検診に注力していきます。
側彎症
側彎症は大きく4つに分類され、最も頻度が高いのが思春期女子に多く発生する特発性側弯症です。特発性というのは医学的に原因不明という専門用語です。
原因は不明ですが放置すると成長と共に背骨が彎曲し容姿に問題が出てくるだけではなく、胸郭が固くなり呼吸機能が低下します。さらに持続した背部痛や腰痛も認めます。
学校検診で下図の様な簡易的な検診が行われますが、側彎症を疑われる際にはレントゲンによる脊椎と骨盤の評価も必要になりますので当院へご相談ください。
斜頸
斜頸はその原因から先天性・筋性・炎症性・眼性斜頸に分けられます。
筋性は生後直後に判明されますが、筋性・炎症性はレントゲン検査が必須になります。
眼性は眼球運動に伴い起こるため疑わしい場合には眼科受診が必要です。
骨端症
骨端症は骨の成長線(骨端線)が痛くなる子供の病気です。 中高生になると成長が止まり骨端線も消失しますが、その間に骨端線の部分へ負荷や機械的な刺激が加わることで骨端症を発症し、成長痛や放置すれば成長障害を引き起こします。セーバー病(踵の骨端症)ケーラー病(親指の足の付け根の痛み)、フライベルグ病(足の人差し指の付け根の痛み)等がありますが、基本的に安静で症状が良くなりますので、放置せずお早めに受診してください。
発育性股関節形成不全症
産まれたばかりの赤ちゃんの股関節は緩く、下肢を伸ばした姿勢でオムツをするなどの間違った育児習慣によって外れていくことが多いといわれています。以前は出生数の2%前後の発生率があり、現在は乳児検診やオムツ・抱き方指導により約1/10に減少しております。X線(レントゲン)か超音波(エコー)診断が行われることで早期診断が可能であり、装具による治療法が確立されてます。