ハイヒールと外反母趾
- 2022.07.11
皆さん、こんにちは。西尾久リウマチ整形外科アシスタントの鄭です。今回はハイヒールと外反母趾の関連性についてお伝えします。
最近の流行はローヒールやスニーカーですが、やはりハイヒールを履くとシャキッとした気持ちになって自信も生まれたりしますよね。脚も長く見えるので、見た目のためならと痛みを我慢してハイヒールを履いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
外反母趾は女性に多く見られ、加齢と共に悩む人の割合が多くなることが分かっています。外反母趾とは足指の変形のことで、母趾(足の親指)の付け根の関節が第二趾(人差し指)のほうに“くの字”に20度以上曲がった状態のことを言います。
ハイヒールを履くのは女性が多いと思いますが、一般的に女性は男性よりも関節が柔らかく、筋力も弱いので足指が変形しやすいと言われています。そのため、販売員や営業職など立ち仕事でヒールを履く機会が多い方に外反母趾がしばしば見受けられます。
外反母趾は、ハイヒールそのもので悪くなるというよりは、合わない形の靴を履き続けることや歩き方のクセによるものが主な原因です。
私たち人間は裸足で立っているだけでも足に負担がかかっています。4センチのヒールを履いた場合は、裸足で歩行時の1.5倍、9センチの場合は3倍もの負担をかけてしまっているのです!
外反母趾の人は足のアーチが崩れているため、歩行時に地面からの衝撃を上手に吸収することが出来ません。そのため、外反母趾の人がヒールを履くと、母趾の第二関節の内側に大きく突き出た部分が靴に圧迫されて炎症を起こしたり(バニオンと言います)、強い痛みを生じたりします。また、足をかばって歩くことで膝や腰を悪くしてしまうこともあり、重症の場合は歩行障害を引き起こすこともあります。
そこで一番大切なのは、足にあった靴を選ぶことです。外反母趾の方は以下のような靴を参考に選んで下さいね。
・ヒールの高さは3センチぐらい
・爪先が尖ったものではない
・ストラップなどで甲を固定できる
・かかとが守られている
外反母趾の変形が進行してしまうと骨や靱帯を切る手術以外で元に戻すことが出来ません。ご自分の足に合った靴選びで外反母趾を予防して上手にハイヒールと付き合っていきましょう^^