整形外科のリハビリはいつまで通う?リハビリ終了後の対応についても解説

  • 2025.07.16
整形外科のリハビリはいつまで通う?リハビリ終了後の対応についても解説

整形外科で行うリハビリはいつまで通えばよいのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

リハビリ期間は人によって異なりますが、ある程度目安となるタイミングがあります。

この記事では、整形外科でのリハビリ期間について詳しく解説します。

整形外科のリハビリに通うときのポイントやリハビリ期限終了後の対応、よくある質問などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

整形外科のリハビリはいつまで通う?終了の目安

整形外科のリハビリはいつまで通う?終了の目安

整形外科のリハビリ期間は人によって異なりますが、終了の目安は3つ挙げられます。

  • ・健康保険のリハビリ期間が終了するときまで
  • ・リハビリ目標が達成するまで
  • ・日常生活に支障をきたさない程度まで回復したとき

ここでは上記3つの目安についてそれぞれ解説します。

リハビリ期間は人によって異なる

リハビリ期間は人によって異なるため、「いつまでリハビリを続けたらいいの?」という問いに対する明確な答えはありません。

患者さんの怪我の状況や環境によってリハビリ期間は変動しますが、重症度が高くなるほど、期間が長引きやすくなります。

一方で軽度の怪我であれば、短期間のリハビリで良い場合もあります。

患者さんの生活背景や家族構成によっても変動するため、医師と相談してリハビリ期間を検討するとよいでしょう。

健康保険のリハビリ期間が終了するときまで

健康保険にはリハビリ期限が定められているため、その期間が終了するときまでリハビリを行うことがあります。

健康保険適用によるリハビリは、運動器・脳疾患・心臓疾患でそれぞれ期間が異なります。

項目 リハビリを受けられる期間 対象疾患
運動器に対するリハビリ 診断日から150日 腰痛、変形性膝関節症、肩関節周囲炎(五十肩)、スポーツ傷害、骨折など
脳疾患に対するリハビリ 診断日から180日 脳梗塞、脳腫瘍、脊髄損傷、パーキンソン病など
心臓疾患に対するリハビリ 診断日から150日 急性心筋梗塞、狭心症、大血管疾患など

例えば上半身や下半身の複合損傷のリハビリを行う場合は、診断を受けた日から150日間は保険適用でのリハビリを受けることが可能です。

事故による怪我のほとんどは運動器リハビリの対象となるため、脳疾患や心臓疾患にかかわるものでなければ、ほとんどのケースで150日間のリハビリ期間となるでしょう。

リハビリ目標が達成するまで

リハビリ目標を達成するまでの期間をリハビリ期間として設定する場合があります。

リハビリではリハビリ実施計画書が作成されますが、このときに患者さん本人や家族、主治医、リハビリ担当者と相談してリハビリ目標を設定します。

この目標が達成されれば、リハビリ終了となるのです。

リハビリ目標に多いものとして、『仕事に復帰できたとき』や『家事育児が問題なくこなせるようになったとき』などが挙げられます。

設定する目標は個人差があるため、同じ疾患でもリハビリ期間が異なる場合があります。

また目標は明確かつ具体的であるほど、より効果的なリハビリを実施できるため、医師や家族と相談しながら目標を設定するとよいでしょう。

日常生活に支障をきたさない程度まで回復したとき

リハビリの終了目安として、『日常生活に支障をきたさない程度まで回復したとき』が挙げられます。

例えば腕や足の損傷によりリハビリが必要となった場合のリハビリ終了目安は、『痛みがなくなった』『可動域制限がなくなった』などになります。

日常生活で患部を使っても痛みや可動域制限に問題がない程度まで回復すれば、リハビリ終了と判断されるでしょう。

整形外科のリハビリに通うときのポイント

整形外科のリハビリに通うときのポイント

整形外科のリハビリに通うときのポイントは以下の通りです。

  • ・回復具合に合わせてリハビリの頻度を調整する
  • ・リハビリ目標を決めておく
  • ・自己判断でリハビリを中断しない
  • ・自宅で続けられるリハビリ方法を確認しておく
  • ・リハビリ終了後の日常生活での注意点を確認しておく

ここでは上記5つのポイントについてそれぞれ解説します。

回復具合に合わせてリハビリの頻度を調整する

リハビリでは、回復の具合に応じてリハビリの頻度を調整することが大切です。

症状が強く現れている最初の時期は、週2回以上のリハビリを行うことが推奨されます。

症状が落ち着いてきたらリハビリの頻度を落とし、様子を見てみましょう。

リハビリの頻度を一気に変更すると、怪我の回復が遅くなる可能性があるため、少しずつ頻度を落としていくことが大切です。

リハビリ目標を決めておく

リハビリ目標を決めておくことで、終了の目安やモチベーションの維持につながります。

例えば『日常生活に戻るために必要な動作をスムーズに行えるようになること』や『スポーツ活動に復帰すること』などを目標にすると良いでしょう。

目標が決まると、リハビリの進捗を測る指標にもなります。

小さなステップを踏みながら、段階的に目標に近づいていくプロセスを楽しむことで、リハビリの時間が有意義なものになります。

自己判断でリハビリを中断しない

リハビリ中に痛みが続いたり思うように進まなかったりすると、つい自己判断で中断してしまいがちです。

しかし、リハビリは計画に沿って続けることが重要です。

痛みや不快感があるときは、必ず医師や担当の理学療法士と作業療法士に相談し、必要な調整を行ってもらうようにしましょう。

専門家のアドバイスを受けながら進めることで、効率的に回復を目指し、リハビリの効果を最大限に引き出すことができます。

自宅で続けられるリハビリ方法を確認しておく

病院やクリニックでのリハビリだけでなく、自宅でもできるリハビリ方法を確認しておくと、より効果的にリハビリを進められます。

担当者に自宅で行えるストレッチや筋力トレーニング方法を教わり、毎日の生活の中で実践することが大切です。

無理なく続けられる自宅でのリハビリメニューを計画すれば、通院の負担を軽減しながら、継続的に身体機能を高められます。

リハビリ終了後の日常生活での注意点を確認しておく

リハビリが終了を迎えた際には、日常生活での注意点をしっかりと確認しておくことが大切です。

再発や新たな怪我を防ぐために、どのように体を動かすべきか、どんな姿勢を保つべきかを学びましょう。

またリハビリで得た筋力や柔軟性を維持するために、軽い運動やストレッチを日常的に取り入れるのもおすすめです。

これらのポイントを意識して生活を送ることで、健康的な日常を取り戻しやすくなります。

整形外科でのリハビリ期限が終了した後の対応

整形外科でのリハビリ期限が終了した後の対応

整形外科でのリハビリ期限が終了した後の対応は3つあります。

  • ・自宅で行えるトレーニングを継続する
  • ・自費リハを活用する
  • ・介護保険サービスを活用する

ここでは上記3つの対応についてそれぞれ解説します。

自宅で行えるトレーニングを継続する

整形外科でのリハビリを終えた後も、自宅で続けられるトレーニングを行うことで、筋力や柔軟性を維持することができます。

医師から指示されたエクササイズや、理学療法士と作業療法士から教わった運動を日常生活に取り入れ、怪我の再発を防ぎましょう。

無理をせずに自分のペースで進めることが重要で、必要に応じて、新しいエクササイズを取り入れるとさらなる効果が期待できます。

自費リハを活用する

整形外科での保険適用のリハビリが終了した後、自費でリハビリを継続する選択肢もあります。

専門的な指導を受け続けることで、より集中したケアを受けることが可能です。

自費リハの費用はかかりますが、その分自己満足度やリハビリ効果は向上しやすいです。

自費でのパーソナルトレーニングセッションやグループリハビリテーションクラスなど、選択肢は多岐にわたります。

自分の目標と健康状態に合った形式を選びましょう。

介護保険サービスを活用する

介護保険を持っている方の場合は、介護保険サービスを活用するのがおすすめです。

介護保険制度を利用することで、日常生活の一環としてリハビリを継続可能です。

訪問リハビリやデイサービスを利用することで、専門職からのサポートを受けられます。

これにより、体力の維持や生活の質の向上を図ることができるでしょう。

またデイサービスではリハビリだけでなく、食事や入浴などのサービスも受けられるため、高齢者の方には特におすすめです。

整形外科でのリハビリに関するよくある質問

整形外科でのリハビリに関するよくある質問

整形外科でのリハビリに関するよくある質問をまとめました。

  • ・リハビリでは何をする?
  • ・リハビリを途中でやめても大丈夫?
  • ・リハビリは痛い?
  • ・リハビリの効果がないと感じたときの対処法は?

ここでは上記4つの質問についてそれぞれ解説します。

リハビリでは何をする?

リハビリでは、患者さんの状態や目標に応じたプログラムが提供されます。

一般的には運動療法や物理療法を組み合わせたアプローチを取ります。

運動療法は理学療法士または作業療法士が患者とマンツーマンで運動機能回復を目的に筋力強化や関節可動域訓練を行うリハビリテーションで、物理療法は頚椎や腰椎の牽引機、低周波治療器、超音波治療器などを用いて医療機器による物理的作用で痛みをとることを目標とした治療です。

これらにより再発を防ぎ、日常生活への早期復帰を目指します。

リハビリを途中でやめても大丈夫?

リハビリを途中でやめることはおすすめできません。

リハビリは身体機能の回復と維持を目的としており、途中でやめてしまうと回復が遅くなる可能性があります。

痛みの軽減や機能改善は徐々に実感できるものですが、リハビリのプロセスをすべて完了することでその効果をしっかりと引き出すことができます。

もしも痛みや体調不良がある場合は治療スタッフに相談し、必要に応じてプログラムの調整を行うことが大切です。

何も相談せずに自己判断でリハビリを中断することは避けましょう。

リハビリは痛い?

リハビリは基本的に痛みが出ないように注意を払って行われますが、症状の度合いやリハビリ目標によっては痛みが生じる場合もあります。

耐えられないほどの痛みが発生した場合は、すぐに担当の理学療法士と作業療法士や医師に相談しましょう。

基本的にリハビリは患者さんの意思を尊重して行われるため、痛みがある場合は無理せずリハビリ内容を調整してもらってください。

リハビリの効果がないと感じたときの対処法は?

リハビリの効果を感じられない場合、まずは担当の理学療法士と作業療法士や医師と話し合うことが大切です。

リハビリの効果が出ない原因としては、プログラムが自分の状態に合っていない、または十分な回数が行われていないなどが挙げられます。

また間違った治療が行われている場合もあるため、その場合は他の整形外科の受診を検討するのがおすすめです。

まとめ

整形外科のリハビリ期間には個人差がありますが、運動器に対するリハビリは150日、脳疾患に対するリハビリは180日、心臓疾患に対するリハビリは150日が一つの目安となります。

このほか、リハビリ目標を達成するときまでをリハビリ期間として設定する場合もあります。

整形外科でリハビリを行う際は、医師と相談し、リハビリ期間やリハビリ目標を明確に決めておきましょう。

日本整形外科学会専門医・指導医が在籍する『西尾久リウマチ整形外科』では、患者さんの病気の原因や状態にあったリハビリを提案・実施しています。

牽引療法や低周波・温熱療法、リラクゼーション、装具療法など幅広い方法によるリハビリが可能なため、整形外科でのリハビリを検討している方はぜひ当院までご相談ください。

PAGE TOP