関節リウマチとストレスの関係

  • 2022.05.05

皆さん、こんにちは。西尾久リウマチ整形外科のアシスタント鄭です。ゴールデンウィークはどのように過ごされましたか?まだまだコロナ禍は収束する見通しが立ちませんね・・・人混みを避けて静かに過ごされていた方も多いかと思います。

さて、コロナ禍で耳にする機会が多くなった「免疫」という言葉。実は関節リウマチとも深い関わりがあります。

関節リウマチは自己免疫疾患の一つです。人間の身体には体内に入ってきた異物と戦い、排除する機能が備わっています。しかし、この免疫機能に異常が起きると、自身の正常な組織まで攻撃してしまいます。

正常な免疫の力を高めるためには、ストレスを減らすことが一番です。ストレスは体力や免疫機能を低下させてしまいます。日々生きているだけでもストレスがたくさんありますよね。毎日の気温の温暖差、仕事に家事や育児、テレビを見れば入ってくる世界の悲しいニュース。上手にストレスと向き合い、乗り越えていくことが大事です。

関節リウマチとストレスについてはいくつか報告があります。過去の報告で中越地震や東日本大震災などの大きな震災を機に関節リウマチを発症したり、身近なところでは友人や家族、愛犬の死で関節が腫れてしまう患者さんもおります。関節リウマチはストレスの病気ではありませんが、遺伝的素因(HLA-DRB1)にストレス要素(喫煙、歯周病、過労、環境変化、出産、更年期)が重なると発症する事が分かってきております。

ちなみに、テレビCMや広告などで「ストレスに効く」「免疫に効果がある」という商品も多いですが、関節リウマチと診断されたら、こういった商品は必ずお医者さんに相談してから摂るようにしてくださいね。

ストレスへの対処

ここまでお伝えしたように関節リウマチに大敵のストレス。関節リウマチは気長に付き合っていく病気なので、現在の病状と治療の内容を受け止め、規則正しい生活を心掛けることがストレスの緩和につながります。リウマチのほかに糖尿病や高血圧などの病気や腎臓などに異常がなければ特に食事の制限はありませんので、バランスの良い食事と十分な睡眠をとりましょう。睡眠は1日を通じて受けたストレスをリセットする大事や役割をします。そして大事なのは無理ない範囲で体を動かすこと!運動は筋力維持や関節拘縮予防だけでなく、気分転換や睡眠障害の改善につながります。達成感も得られますので気持ちが前向きになり、ストレスに柔軟に対応できる心が育まれます。

当クリニックでも先月末に体操教室の一環として、外部のインストラクターを招いて「イスに座ってピラティス」というワークショップを行いました。イスに座って行うことで、病気や年齢を問わず無理なく体を動かす事ができ、参加された患者様から大変ご好評を頂きました。今後も定期的にピラティス等のワークショップや患者様の会などを開催し、同じような境遇の患者様同士のコミュニケーションの場を設けたり、院長による病気の講演会を開くことで病気に対する不安を軽減できるよう努めていきます。

関節リウマチの生活の注意点について詳しく知りたい方は以下ご参照ください。

日本リウマチ財団 https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/rm400_seikatsu.html

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