整形外科の選び方で確認したい6つのポイントと上手なかかり方

  • 2026.08.10

整形外科の選び方で確認したい6つのポイントと上手なかかり方

「整形外科」を掲げているクリニックは多くありますが、医師の専門分野・リハビリ体制・検査設備はクリニックごとに大きく異なり、選び方ひとつで治療のスピードや費用負担まで変わります。この記事では、整形外科を選ぶときに確認したい6つのポイント、整骨院との使い分け、初診から長く通うコツまでを、整形外科医の視点で整理します。

整形外科で診てもらえること

整形外科で診てもらえること

整形外科は、骨・関節・筋肉・腱・靭帯・神経など「運動器」と呼ばれる体の部位を専門に扱う診療科です。日本整形外科学会によると、背骨と骨盤を土台として四肢(手足)の機能改善を目的に治療を行う外科とされています。

対象となる症状は非常に幅広く、以下のようなものが含まれます。

  • ・腰痛、肩こり、首の痛み
  • ・膝・股関節・肩の痛みや変形
  • ・骨折、捻挫、脱臼などの外傷
  • ・手足のしびれ、坐骨神経痛
  • ・関節リウマチ、痛風
  • ・骨粗鬆症
  • ・スポーツによるけがや障害

「肩が上がらない」「膝が痛くて階段がつらい」「手がこわばる」といった日常の困りごとから、転倒による骨折や交通事故のけがまで、体を動かすことに関する不調であればまず整形外科が相談先になります。

なお、頭部の外傷や内臓の疾患は整形外科の対象外です。「どこに行けばいいかわからない」場合はまず整形外科を受診し、必要に応じて他の診療科を紹介してもらう流れが一般的です。

参考:整形外科のかかりかた|公益社団法人日本整形外科学会

整形外科の選び方で確認したい6つのポイント

整形外科の選び方で確認したい6つのポイント

「整形外科」を掲げているクリニックは多くあります。事前に以下の6つのポイントを確認しておくと、自分の症状に合った医院を見つけやすくなります。

1.通いやすい場所にあるか

整形外科の治療は、1回の受診で完結することがほとんどありません。痛み止めの処方だけで済むケースもありますが、多くの場合は経過観察やリハビリのために繰り返し通院する必要があります。自宅や職場から通いにくい場所にあると、途中で通院が途切れてしまい、症状が長引く原因になります。

目安として、無理なく週1〜2回通える距離にあるかどうかを基準にするとよいでしょう。駅からの距離や駐車場の有無、診療時間が自分の生活パターンに合っているかも確認しておきたい点です。

2.整形外科専門医が在籍しているか

「整形外科」を掲げているクリニックのすべてに、整形外科専門医がいるわけではありません。日本には「自由標榜制」という制度があり、医師免許があれば標榜する診療科を比較的自由に選べるため、整形外科の専門研修を経ていない医師が整形外科を掲げているケースもあります。

日本整形外科学会が認定する「整形外科専門医」は、卒後の初期臨床研修2年に加えて、認定施設での整形外科専門研修を4年以上受け、認定試験に合格した医師に与えられる資格です。クリニックのホームページに医師の経歴や資格が記載されていることが多いので、受診前に確認しておくと安心です。

さらに、整形外科の中にも脊椎・膝関節・肩関節・スポーツ整形・リウマチなどの専門分野があります。長引く症状や特定の疾患がある場合は、その分野に詳しい医師がいるクリニックを選ぶと、より的確な診断と治療を受けられます。

参考:整形外科専門研修プログラム整備基準

3.リハビリテーションの体制が整っているか

整形外科の治療では、手術や薬だけでなくリハビリテーションが大きな役割を果たします。理学療法士や作業療法士がいるクリニックでは、患者様一人ひとりの症状に合わせた個別のリハビリプログラムを組んでもらえます。

確認したいのは「運動器リハビリテーション」の施設基準です。この基準にはⅠ・Ⅱ・Ⅲの3段階があり、数字が小さいほどスタッフの人数や設備が充実していることを意味します。運動器リハビリテーション施設基準Ⅰを取得しているクリニックは理学療法士の配置が手厚く、一人あたりの対応時間が確保されやすくなります。

同じ「リハビリ対応」でも、物理療法(電気・温熱など)が中心のクリニックと、理学療法士による個別の運動指導を受けられるクリニックでは、関わり方が異なります。長期的に通うことを考えるなら、症状に合わせて運動指導まで受けられる体制かどうかが、回復のスピードを左右します。

4.検査設備が揃っているか

整形外科では、レントゲン撮影はほぼすべてのクリニックで対応しています。それに加えて、以下の検査機器があると診断の精度が上がります。

  • ・超音波検査(エコー):筋肉・腱・靭帯の損傷をリアルタイムで観察できる。レントゲンでは写らない軟部組織の異常を見つけるのに有効
  • ・骨密度測定装置(DXA法):骨粗鬆症の早期発見に使われる。特に腰椎と大腿骨の測定ができる装置が信頼性が高い

エコーと骨密度測定装置を備えているクリニックは、レントゲンだけでは見つけにくい異常にも対応できます。特にエコーは、検査予約が必要なMRIと違ってその場で患部を動かしながら観察でき、炎症や断裂の有無を即座に判断できるため、整形外科のクリニック選びでは重要な設備です。

5.医師の説明がわかりやすいか

整形外科の治療は選択肢が複数あることが多く、「手術するか保存療法で様子を見るか」「注射をするかリハビリで対応するか」といった判断を患者様自身が行う場面があります。そのため、医師が症状や治療方針を丁寧に説明してくれるかどうかは、非常に大切なポイントです。

初回のカウンセリングでは、「質問しやすい雰囲気か」「画像を見せながら説明してくれるか」「治療の見通しを具体的に伝えてくれるか」を観察しておくと、その後の通院を続けるかどうかの判断材料になります。症状や治療方針について納得できるまで説明してもらえる医師かどうかが、長く信頼して通える整形外科を見つける鍵になります。

6.症状に応じた治療の選択肢があるか

整形外科の治療は、投薬・注射・リハビリ・装具療法・体外衝撃波治療・手術など多岐にわたります。ひとつの治療法だけでなく、症状や生活背景に合わせて複数の選択肢を提示してもらえるクリニックを選ぶと、自分に合った治療計画を立てやすくなります。

たとえば腰痛の場合でも、「痛み止めの処方だけ」で終わるクリニックと、「薬物療法に加えてリハビリ・ブロック注射・体外衝撃波治療など複数の選択肢から症状に応じて組み立ててくれるクリニック」では、改善のアプローチが大きく異なります。

ホームページで対応している治療法を確認するほか、初診時に「いま提示してもらった方針は、他の選択肢と比べてどう判断したのか」を尋ねると、医師の説明姿勢と治療の幅が見えてきます。

整形外科と整骨院はどちらに行くべきか

整形外科と整骨院はどちらに行くべきか

腰痛や肩の痛みが出たとき、「整形外科と整骨院(接骨院)のどちらに行けばいいのか」と迷う場面があります。名前が似ているため混同されやすいのですが、この2つは資格も対応範囲もまったく異なります。

整形外科と整骨院の違い

項目 整形外科 整骨院(接骨院)
担当者 医師(国家資格) 柔道整復師(国家資格)
診断 レントゲン・MRI等の画像検査に基づく診断が可能 画像検査や診断は行えない
治療 投薬・注射・手術・リハビリなど 手技療法(マッサージ等)・物理療法
保険適用 幅広い疾患に健康保険が適用される 外傷(捻挫・打撲等)への施術のみ保険適用
診断書 発行できる 発行できない

日本整形外科学会は、接骨院の業務範囲は「外傷による捻挫・打撲に対する施術と骨折・脱臼の応急処置」に限られると説明しています。慢性的な腰痛や変形性関節症のような疾患は整骨院の対象外であり、痛みの原因を診断してもらいたい場合は、まず整形外科を受診することが基本です。

参考:整形外科と接骨院(いわゆる整骨院)|公益社団法人日本整形外科学会

整骨院に先に行くとどうなるか

痛みの原因がわからないまま整骨院に通い続けると、骨折や靭帯損傷などの見落としにつながるリスクがあります。整骨院ではレントゲンやMRIなどの画像検査ができないため、骨や関節の内部で何が起きているかを確認する手段がありません。

「整形外科でレントゲンを撮ったら実は骨にヒビが入っていた」というケースは珍しくありません。痛みがある場合は、まず整形外科で原因を特定してもらい、その上で必要に応じて整骨院でのケアを併用するのが安全な順序です。

整形外科を上手にかかるために知っておきたいこと

整形外科を上手にかかるために知っておきたいこと

整形外科を選んだ後、受診の仕方によっても治療のスムーズさは変わります。

初診時に伝えておきたいこと

医師が正確に診断するためには、問診での情報が欠かせません。初診時に以下の点を整理しておくと、限られた診察時間を有効に使えます。

  • ・いつから痛いか(急に始まったか、徐々にか)
  • ・どこが痛いか(場所をできるだけ具体的に)
  • ・どんなときに痛みが強くなるか(動くとき、じっとしているとき、朝起きたとき等)
  • ・これまでに受けた治療や飲んでいる薬
  • ・けがや事故のきっかけがあったかどうか

特に「朝起きたときに指がこわばる」「左右対称に関節が腫れている」「打撲もしていないのに腫れる」といった症状は、整形外科の範囲を超えた疾患(関節リウマチ・膠原病・痛風など)が背景にある場合があります。こうした症状を医師にきちんと伝えると、整形外科内で対応するか、リウマチ科・膠原病内科への紹介で進めるかを早い段階で判断してもらえます。

かかりつけの整形外科を持つメリット

整形外科は「痛くなったら行く場所」と考える方が多いですが、かかりつけとして定期的にかかることで、症状の変化を早期に察知してもらえます。過去のレントゲン画像や検査データが蓄積されていれば、「以前と比べて骨密度が下がっている」「関節の変形が進んでいる」といった変化に医師が気づきやすくなります。

自覚症状がないまま進行する疾患は骨粗鬆症だけではありません。関節リウマチの初期、変形性関節症の初期、肩腱板の部分損傷などはいずれも初期に痛みが軽く、定期検査で初めて見つかるケースがあります。かかりつけの整形外科で年に1度の定期検査を続けることで、こうした疾患を早い段階で見つけて治療を始められます。

紹介状なしで大病院に行くとどうなるか

「大きな病院のほうが安心」と考えて、いきなり大学病院や総合病院を受診する方もいます。しかし、200床以上の大病院(特定機能病院・地域医療支援病院など)を紹介状なしで受診すると、2022年10月以降の制度改定により、初診時に選定療養費として7,000円以上が別途かかります。

まずはクリニック(かかりつけ医)で診察を受け、手術や精密検査が必要と判断された場合に大病院を紹介してもらう流れが、費用負担を抑える基本になります。緊急性が高い場合やすでに大病院で治療を継続している場合は別ですが、慢性的な痛みや原因がはっきりしない症状は、まずクリニックで原因を絞り込むことから始めるのが現実的です。

参考:紹介状を持たずに特定の病院を受診する場合等の「特別の料金」の見直しについて|厚生労働省

整形外科の選び方に関するよくある質問

整形外科の選び方に関するよくある質問

整形外科は何歳から受診できますか?

整形外科は新生児から高齢者まで、年齢を問わず受診できます。お子さんの場合は、成長期特有の痛み(オスグッド病、側弯症など)やスポーツでのけがが主な受診理由になります。小児整形に対応しているクリニックであれば、成長に配慮した治療を受けることができます。

2つの整形外科に同時に通っても問題ありませんか?

保険診療上、同一の疾患で2か所の医療機関に同時にかかること自体は禁止されていませんが、それぞれのクリニックで処方される薬が重複したり、治療方針が食い違うリスクがあります。セカンドオピニオンとして別の医師の意見を聞くことは有益ですが、治療を並行する場合は双方の医師にその旨を伝えてください。

どのくらいの痛みで整形外科を受診すべきですか?

「動けないほどではないけれど気になる」程度の痛みでも、1〜2週間続くようであれば受診をおすすめします。痛みを我慢して過ごしているうちに、関節や靭帯の損傷が進行しているケースは珍しくありません。特に腫れや熱感を伴う場合、しびれがある場合、安静にしていても痛む場合は早めの受診が望ましいです。

まとめ

まとめ

整形外科の選び方で大切なのは、通いやすさ・専門医の有無・リハビリ体制・検査設備・医師との相性・治療の選択肢の6点です。1回の受診で終わることが少ない整形外科だからこそ、「長く信頼して通えるかどうか」を基準に選ぶことが、結果的に症状の早期改善につながります。

西尾久リウマチ整形外科は、日本整形外科学会専門医・指導医・運動器リハビリテーション医に加え、日本リウマチ学会指導医・日本骨粗鬆症学会認定医の資格を持つ院長が診療にあたります。運動器リハビリテーション施設基準Ⅰを取得し、複数の理学療法士・作業療法士による個別リハビリを提供できる体制を整えています。

レントゲン・関節エコー・骨密度測定(DXA法)といった検査設備に加え、2025年6月からは保険診療対応の体外衝撃波治療機器も導入し、慢性的な腰痛・膝痛・肩痛から関節リウマチ・骨粗鬆症まで幅広く対応しています。

「どの整形外科にかかればいいか」で迷っている方は、まず一度ご相談ください。

この記事の監修者

医療法人社団香栄会 西尾久リウマチ整形外科

院長 王 興栄おう こうえい

医療の本質は、人と人との繋がりから築かれる信頼関係にあると考えています。
患者様一人ひとりに寄り添い、その方にとって最善の医療を提供できるよう努めてまいります。

経歴

  • 暁星学園高等学校卒業
  • 昭和医科大学医学部卒業
  • 昭和医科大学医学部大学院卒業
  • 昭和医科大学整形外科入局
  • 新潟県立リウマチセンター国内留学
  • 東京女子医大東医療センター整形外科入局
  • フランスParis大学リウマチ科留学
  • 東京女子医科大学病院膠原病リウマチ痛風センター勤務
  • 西尾久リウマチ整形外科開業

資格・認定

  • 日本整形外科学会認定専門医・指導医
  • 日本リウマチ学会認定専門医・指導医・評議員
  • 日本リウマチ学会登録ソノグラファー(リウマチ性疾患の関節超音波検査資格)
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医・脊椎脊髄病医
  • 日本リウマチ財団登録医
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 厚労省認定義肢装具等適合判定医
  • 東京都難病指定医
  • 東京都身体障害者福祉法第15条指定医
  • 東京女子医科大学整形外科 非常勤講師
  • 昭和医科大学医学部 兼任講師

院長情報を詳しく見る

PAGE TOP